オリジナル【亡くなって、おったまげるな。】物語 その2

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しばらく飛んでいると、金比羅の神様は自分の杖を振りながら「えい!」と念じられると、飛んでいた目の前が「ピカッ!」と光り、すると、今まで飛んでいた下の方の風景がガラッと突然変わってしまっていた。

飛んでいる下の方の風景は、色とりどりの綺麗な花が咲き乱れている花園が、見渡す限りどこまでもづうっと続いていて、その花園の中を白い着物を着た人たちが大勢列を組みながら歩いていた。

金鯰が飛んで進んでいる方向に、その白い着物を着た人たちも歩いて進んでいた。

しばらく金鯰が飛んでいると、今度は大きな川が見えて来て、白い着物を着た人たちはその川を渡し船に乗って渡っていた。

金鯰も今まで来たことがない場所だったので、「金比羅の神様、ここはいか様なところなんですか? あの白い着物を着た人は? それと大きな川は?」と、金鯰が次々と聞いてきた。

「ここはあの世の入り口で、白い着物を着た人たちは、経帷子を着た亡くなった死者たちで、あの大きな川は三途の川じゃ。これからワシが行こうとしている場所に、あの大勢の死者たちも歩いて向かっているのじゃよ。」と金比羅の神様が言われた。

また、しばらく金鯰が飛んでいると大きな御殿が見えてくると、「金鯰よ!あの御殿に下りておくれ。」と金比羅の神様が言ったので、金鯰は大きな御殿の前に降りた。

大きな御殿着くと、訳が分からないまま連れてこられた船主は、「金比羅の神様、ここはどこですか?」と、不安そうにうろたえながら言ってきたので、「おまえがいずれ亡くなると、来ることになるあの世にある大きな御殿で、ワシがおまえに行って欲しいと言った場所が、この大きな御殿の中にあるのじゃ!」と、金比羅の神様が船主に言われた。

そして、金比羅の神様は金鯰に「金鯰よ!建物の中に入っておくれ。」と言われたので、金鯰は金比羅の神様と船主を乗せながら、大きな御殿の中に入って行くと、船主はキョロキョロしながら落ち着かないでいた。

御殿の中に入ると、正面の奥の机の椅子に座っている大男がいた。

その3に続く

作者 ©鈴木孝夫 2019年 (許可なしに転載、複製することを禁じます)

この記事を書いた人

鈴木孝夫

金鯰物語の作者。塩川町出身、塩川町在住。発明家としての顔も持っている。