オリジナル【亡くなって、おったまげるな。】物語 その3

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金比羅の神様は「机に座っているあの大男は、この御殿の主の閻魔大王じゃ。」と船主に説明し、「閻魔大王、久しぶりだの。」と金比羅の神様が閻魔大王に挨拶をすると、閻魔大王が「金比羅の神様、何かご用があっていらっしゃったんですか?」と訊ねて来た。

「ワシと一緒に金鯰の上に乗っているこの者に、天国と地獄を見せてやりたいのじゃ。」と、金比羅の神様が閻魔大王に言うと、「そうでしたか、どうぞご見聞なされてください。」と閻魔大王が言ってくれたので、金比羅の神様は金鯰に「金鯰よ!奥に滝が流れている場所があるから、このまま進んでおくれ。」と言われて、金鯰は金比羅の神様と船主を乗せて、奥の滝が流れ落ちている場所まで行った。

滝が流れ落ちている場所に着くと、

「この滝は、神々がいる天上界の川から流れ落ちて来ている。

この滝の滝つぼの水面の上に死者が立つと、立っている死者の生前の誕生から、亡くなるまでの一生の人生の有り様が、流れ落ちている滝に映し出されて、時より白色や黒色の雫が、立っている死者に降り注ぎ始める。

白色の雫が降り注ぐと、白色の雫は生前の善業の雫だ。

白色の雫が死者に降り注ぎ始めると、滝つぼから上昇をし始め、白色の雫が多く降り注げば降り注ぐほど、ドンドンと上へ上へと上昇し、空に浮かぶ雲のごとく上がって行って天国と言う場所へ行ける。

白い雫が死者に降り注ぎ滝つぼから上昇し、上昇して行くと流れ落ちている滝の両側には洞窟があり、洞窟は上の方まで無数にある。

生前人様に親切だった死者は生前に善業を積んでいるから、当然、白い雫が死者に降り注ぎ滝つぼからその死者は上昇して行き、無数ある洞窟の中のその死者と同類の親切者たちがいっぱい居る洞窟の前で止まる。

止まった洞窟の中に入って行くと部落があり、その部落で死者はその者たちと新たな生活に入る事が出来る。

反対に黒色の雫は生前の悪行の雫だ。

黒色の雫が死者に降り注ぐと、立っている死者が滝つぼの水の底の方に沈んで行く。

黒色の雫は生前の悪業の雫で、黒色の雫がその死者に多く降り注げば、滝つぼの水の底に、ドンドンと何処までも沈んで行く鉛玉のごとく下がって、地獄と言う場所に行かなければならなくなる。

黒い雫が死者に降り注ぎ滝つぼの水の底から降下し、降下して行くと洞窟があり、洞窟は下の方まで無数にある。

生前人様をさんざん泣かせた死者は、当然黒い雫が死者に降り注ぎ滝つぼの水の底にから死者は降下して行き、無数ある洞窟の中の、その死者と同類の人様をさんざん泣かせた死者たちが、いっぱい居る洞窟の前で止まる。

止まった洞窟の中に入って行くと部落があり、その部落で死者はその者たちと新たな生活に、入らなければならなくなってしまうということじゃ。」

と、金比羅の神様は船主に話された。

その4に続く

作者 ©鈴木孝夫 2019年 (許可なしに転載、複製することを禁じます)

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この記事を書いた人

骨皮スジ夫

骨皮スジ夫

金鯰物語の作者。塩川町出身、塩川町在住。発明家としての顔も持っている。