オリジナル「雪国になった理由」物語

金比羅の神様が金鯰の上に乗って、岩代の国塩川の街を巡回していると、冬将軍が飛んで来て

「金比羅の神様、私の出番の季節がやってきました。よろしくお願いいたします。」

とニコニコ顔で、挨拶してきた。

「そうか!気張っていっぱい雪を降らしておくれ。頼んだぞ!」と金比羅の神様が言うと、「ハイ!」と返事をして冬将軍は飛んで行った。

「金比羅の神様、私は雪が降ると、川の水が一段と冷たくなったり、川が凍ってしまったりと難儀するので、雪は降って欲しくないです。」

と、とても嫌そうに金鯰(こんなまず)は、ぽそっと言ってきた。

「雪は難儀するから降らないで欲しいか…、まあ、そうだろうな。」

と、金比羅の神様はそう言われてから、こう続けた。

「草木の葉は洗濯もしないのに綺麗なのは、葉に塵が積っても風で吹き飛ばされたり、雨が降って洗い流されたりしておるからなのじゃ。自然界には綺麗にするという、仕組みがある。

この世の万物は、けがれやきたない不浄不条理、生活の営みで汚されておる。

お前が生きるために魚を捕って食べている行為もあてはまる。その諸々の汚れというもを、何らかの手段で綺麗にしなければならない。

人間がしている洗濯は、汚れ物をジャブジャブと洗う。汚れがひどい時には、揉んだり叩いたりして、汚れをおとして綺麗にしている。

難儀する雪が、人間が洗濯を行うように、諸々の汚れを綺麗にしておるということじゃよ。

雪が積もると大地が真っ白になるのは、見た通りに汚れを綺麗にしてくれているという証しとも、とれるはすだ。」

と言われたとさ。

おしまい。 作者 鈴木孝夫 2024年 (許可なしに転載、複製することを禁じます)

※【雪の恩恵】冬期間の山岳部での積雪は、雪のダムとなります。万年雪をいただく飯豊連峰からの水は、真夏でも冷たい飲料水を供給してくれる自然の大貯水池として、豊富な水資源のもとになっています。 山からの伏流水(ふくりゅうすい) が、河川の源流でもあります。

この記事を書いた人

鈴木孝夫

金鯰物語の作者。塩川町出身、塩川町在住。発明家としての顔も持っている。