オリジナル「試練という苦労は買ってでもしろ」物語

金比羅の神様は金鯰の上に乗って、岩代の国塩川の街の巡回をしている時に、「トンカン、トンカン。トンカン、トンカン。」「ジュウ,シュウ。」という音がして来た。

「トンカン、トンカン。トンカン、トンカン。」「ジュウ,シュウ。」という音のする場所は、刀鍛冶屋だった。

「トンカン、トンカン。トンカン、トンカン。」「ジュウ,シュウ。」という音は、心地良い大好きな音だったので、しばらく金比羅の神様は聞きいりながら、金鯰に、「名刀と言われる刀は、火で焼かれて真っ赤になると叩かれ水に入れられ冷やされ、また、火で焼かれて真っ赤になると叩かれ水に入れられ冷やさるという事を、幾度も繰り返されるから、名刀と言われる刀になれるのじゃ。」

「ワシも今まで、山ほど試練を乗り越えてきての今があるのじゃ。大きな事を成すには、大きな試練という苦労が必要なのじゃ。刀鍛冶屋の名刀づくりには、まさに通じるものがあるから“試練という苦労は買ってでもしろ”なのじゃよ。」と話されたとさ。

おしまい。

作者 ©鈴木孝夫 2021年 (許可なしに転載、複製することを禁じます)

この記事を書いた人

鈴木孝夫

金鯰物語の作者。塩川町出身、塩川町在住。発明家としての顔も持っている。