オリジナル【神様からのお年玉】物語

大晦日の夜に、除夜の鐘が岩代国塩川の街に「ゴーン!ゴーン!」と鳴り響き始めると、金比羅の神様は微笑まれながら、金鯰に「今年一年間、ありがとう。来年もよろしくのう。」と言なから、金比羅の神様は、手で優しく金鯰の頭をなでていられた。

金鯰は元気よく「はい!」と答えて、金鯰は金比羅の神様に頭をなでられるのが、とても嬉しそうにしていた。

そして、新年を迎えると、街の人たちがこぞって、金比羅神社に初詣にお参りにやって来た。

街の人たちが祈願する内容を金比羅の神様が、「うん、うん! そうか、そうか!」と、お聞きになられておられた。

そして夜になると、金比羅の神様は「金鯰よ!ワシを乗せて、街の上を飛んでおくれ。」と言われたので、金比羅の神様を乗せると、金鯰は飛び立って、街の空を飛び回り始めた。

すると金比羅の神様は、神楽鈴を「シャン!シャン!」と振り鳴らされながら、「祓い給い、清め給え、神ながら守り給い、幸え給え。」と、神拝詞を奏上された。

振って鳴らされている神楽鈴からは、キラキラと光る金粉がたくさん出て、街に降り注いで落ちていた。

そして、街に落ちていった金粉は、たくさんの雨粒が川の水面に落ちる如く、金色に輝く波紋となって次々と起きていた。

金鯰は「金比羅の神様!凄く綺麗ですね。」と言うと、金比羅の神様は「そうか綺麗か。あれは、ワシからの街への幸せを願うお年玉じゃよ。」と言われたとさ。

おしまい。

作者 ©鈴木孝夫 2020年 (許可なしに転載、複製することを禁じます)

この記事を書いた人

鈴木孝夫

金鯰物語の作者。塩川町出身、塩川町在住。発明家としての顔も持っている。