オリジナル「満月」物語

夜空には煌々と膨らむばかりの光を放す満月に照らされながら、金比羅の神様は金鯰の上に乗って岩代の国の塩川の街を巡回しておられた。

川の水面に映し出されているその満月を金鯰が見つめながら、「満月とても綺麗ですね。」と金鯰がつぶやくと、金比羅の神様が夜空に輝く満月を見ながら「そうじゃのう!綺麗じゃのう。」と答えられた。

金鯰が「月ではウサギが餅つきをしているんですかね?」とたずねると、金比羅の神様は「アハハ!」とお笑いになりながら、「そうじゃなぁ、今度、月でウサギが餅をついておるかを確かめに行ってみようかのう。」とお答えになられて、また、「「アハハ!」とお笑いになられた。

金鯰が、「金比羅の神様、満月を私は大好きなんです。」「満月をジッと見ていると、心の中にどっしりと重い悩み苦しみを、吸い取ってくれて、心を軽くしてくれるので、満月が大好きなんです。」と言うと、金比羅の神様は「そうか満月が大好きか。それはのう、闇夜を明るく照らす満月の光だから、お前の心を暗くしている悩みの闇に、満月の光が差しこんで、心の闇を消し去ってくれるからじゃろう。満月の光にはそんな不思議な力があるからじゃ。」とおしゃった。

更に「何か叶えたい願いがあれば、その願いを叶えたいと強く念じながら、川の水面に映し出されている、満月を目が掛けて飛び跳ねてみなさい。願いが叶うはずじゃよ。それとじゃが、満月を水に映し出しながら、映し出された満月を飲み込むように水を飲むとことをすると、願い事が叶うはずじゃ。」と、金比羅の神様は続けざまにおっしゃった。

満月の夜になると、川の水面に映し出されている、満月を目が掛けて飛び跳ねている金鯰の姿が見られることがあるとさ。

おしまい。

作者 鈴木孝夫 2020年 (許可なしに転載、複製することを禁じます)

この記事を書いた人

骨皮スジ夫

骨皮スジ夫

金鯰物語の作者。塩川町出身、塩川町在住。発明家としての顔も持っている。