オリジナル【亡くなって、おったまげるな。】物語 その4

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さっそく閻魔大王が死者を連れて来て、この滝を背にするように滝つぼの水面の上に死者を立たせた。

すると金比羅の神様が話しされたように、滝つぼの水面の上に立っている死者の生前の誕生から、亡くなるまでの一生の人生の有り様が、滝の流れに映し出されて、死者に白色の雫がいっぱい降り注ぎ始めると、滝つぼの水面の上に立っていた死者がドンドン浮き上がり上昇をし始めた。

「あの世での新たな生活は、三百年間という長きをいなければいけない。何人も逃れられない厳しい定めの掟があるから、この者は、生前に善業をたくさんしたので、天国でも上の階層の洞窟の中にある場所に行ける幸せ者じゃな。」と金比羅の神様が言いを終えると、閻魔大王がまた、別の死者を連れて来て、滝つぼの水面の上に死者を立たせた。

立っている死者の生前の誕生から、亡くなるまでの一生の人生の有り様が、滝の流れに映し出されて、死者に黒色の雫がいっぱい降り注ぎ始めると、滝つぼの水面の上に立っていた死者は、滝つぼの水の底にドンドンと沈み始めた。

「この者は、生前に悪業をたくさんしたので、地獄でも下の階層に行かなければいけないから、気の毒なやつじゃが、自業自得だからしかたない事じゃ。」と金比羅の神様が説明を終えると、閻魔大王がまた、死者を連れて来て、滝つぼの水面の上に死者を立たせた。

映し出されて、死者に黒色の雫がいっぱい降り注ぎ、滝つぼの水面の上に立っていた死者は、ドンドン滝つぼの水の底に沈み始めたが、途中から白色の雫がいっぱい降り注ぎ始めたので、死者はドンドン浮き上がり上昇を始めた。

「ほほう!この者は悪業をさんざんしていたが、改心して善業をたくさんしたので、天国の方に行けるようになったようじゃ、良かった。

死者の中には、善業をたくさんしていたのに、踏み間違えてしまって悪業をさんざんしてしまって、地獄行になってしまった者もおる。」と金比羅の神様は話された。

その5に続く

作者 ©鈴木孝夫 2019年 (許可なしに転載、複製することを禁じます)

この記事を書いた人

鈴木孝夫

金鯰物語の作者。塩川町出身、塩川町在住。発明家としての顔も持っている。