オリジナル「金比羅神社」物語

川に漁に出る時には必ず、金比羅神社にお参りしてから漁に出ていた信仰深いある漁師がいた。

漁をしていたある日のことだが、漁師は誤って舟の上から川に落ちてしまった。

舟から落ちる時に舟に両足をぶつけてしまい、川の中で溺れそうになっていると一匹の大きな金鯰が目の前で飛び跳ねて現れた。

その金鯰の背びれに漁師はしがみつくと、金鯰は泳ぎ始めて漁師を川岸まで連れて行って助けてくれたとさ。

 

物売りの行商人が、「物売りの声」を発しながら歩き回ったが一向に物が売れず、お腹も空いたので金比羅神社にお参りをして、御神木の銀杏の木の下で座り込んで持ってきたおむすびを食べていると、一匹の犬が近付いてきた。

その犬は、行商人が食べているおむすびを食べさせろと言わんばかりに「ワンワン」と鳴いてきたので、おむすびを食べさせると犬はよほど美味しかったのか、また「ワンワン」と鳴いて催促してきた。

犬が余りのもうるさく鳴いて催促するので、行商人はまたおむすびを食べさせていると、男の人がやって来た。

その男の人は犬の飼い主で庄屋さんとかで、犬がお世話になったというお礼に、行商人の売り物をたくさん買ってくれたとさ。

 

長年子宝に恵まれなかった夫婦がいた。

ある晩のことだが、奥方の夢の中に金鯰の上に乗った白髭の老人が現れて

「明日金比羅神社にお参りをせよ。その時に御神木の銀杏の木の葉っぱ一枚をお前に授けるから、その銀杏の木の葉っぱを寝る時に枕の下に入れて眠るが良いぞよ。夢々疑うことなかれ。」

と言い終ると金鯰の上に乗った白髭の老人が消えてしまった。

次の日、金比羅神社にお参りに行くと、すると夢のお告げの通りに御神木の銀杏の木の葉っぱ一枚がヒラヒラと、奥方のところへ落ちて来た。

その晩、御神木の銀杏の木の葉っぱ一枚を枕の下に入れて眠ると、夢の中に金鯰が出てきて、その金鯰が尾びれで自分の腹を優しく撫でてくれた。

そんな不思議な夢を見て、直ぐに子供が授かったとさ。

作者 ©鈴木孝夫 2017年 (許可なしに転載、複製することを禁じます)

この記事を書いた人

骨皮スジ夫

骨皮スジ夫

金鯰物語の作者。塩川町出身、塩川町在住。発明家としての顔も持っている。