オリジナル「十五夜の満月のお月見の団子作り」物語

十五夜の満月の夜に金比羅の神様が金鯰の上に乗って、岩代の国の塩川の街を巡回していると、空の方から「金比羅の神様!金比羅の神様!」と呼ぶ声がした。

金比羅の神様が呼ぶ声の方を空の方を見る、煌々と輝く十五夜の満月を背に、雲に乗ったかぐや姫とウサギが金比羅の神様の方に向かって降りて来ていた。

かぐや姫とウサギが金比羅の神様の近くに降り立った。そして、金比羅の神様とかぐや姫のやり取りが始まった。

金比羅の神様、「お!かぐや姫、ひさしぶりだのう。」

かぐや姫、「金比羅の神様、お久しぶりでございます。この星で過ごしていた際には、金比羅の神様にはたいそうお世話になりありがとうございました。」

金比羅の神様、「かぐや姫、息災の様で何よりじゃなぁ。ところでどうしたのじゃ?」

かぐや姫、「金比羅の神様、十五夜の満月のお月見のお団子作りにやって来ました。」

金比羅の神様、「かぐや姫、月の国からわざわざ来ての、お月見のお団子作りに来たのか。」

かぐや姫、「急に月の国に帰ってしまっていたので、この星のことが気になっておりました。それと一緒に来たこのウサギ、月の国での餅つきに飽きて餅をつかなくなってしまって、他で餅つきをしたいと駄々を申すもので、これ幸いと思い立って、ウサギも一緒に連れて来たんです。」

金比羅の神様、「そうか。じゃ、始めるとしよう。」

かぐや姫、「ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」

金比羅の神様とかぐや姫のやり取りが終わり、十五夜の満月のお月見のお団子作りが始まった。

餅米を蒸して、蒸した餅米を臼に入れると、金比羅の神様と金鯰の「ヨイショ!ヨイショ!」のかけ声の音頭で、ウサギが杵で「ペッタン!ペッタン!」と餅つきをし、かぐや姫が臼に入っている蒸し餅米の返しをしての、とても楽しい餅つきが始まった。

そして、つき上がった餅でのお団子作りをして、そして、皆で十五夜の満月のお月見を始めると、かぐや姫が舞を舞いたいと言うので、金比羅の神様が鼓を打ち、ウサギが太鼓を叩き、そのお囃子に合わせてかぐや姫が舞を始めた。

そんなお月見を十五夜の満月が愛でているかの様に、十五夜の満月は煌々と膨らむばかりの光を放ってくれていた。

お月見が終わると、ウサギは「金比羅の神様、楽しかったです。月の国での餅つきに飽きたときには、また餅つきに来ます。」かぐや姫も「金比羅の神様、とても楽しゅうございました。」と言って、かぐや姫とウサギは雲に乗って月の国に帰って行ったとさ。

おしまい。

作者 ©鈴木孝夫 2020年 (許可なしに転載、複製することを禁じます)

この記事を書いた人

鈴木孝夫

金鯰物語の作者。塩川町出身、塩川町在住。発明家としての顔も持っている。